松原 潔まつばら きよし
対応エリア:
香川
- 生年
- 1964年
- 出身
- 岐阜県
- 所属
- 総本山善通寺宝物館学芸員
- 経歴
- 大学院修了後、約20年間京都で文化財調査員や大学博物館の非常勤職員等を経験後、善通寺の学芸員に
- 資格
- 学芸員
- ガイド内容
- 善通寺宝物館案内
- 対応フィールド
- 総本山善通寺
- 対応シーズン
- オールシーズン
- お客様へ一言
- 香川県は昔から文化水準の高い地域です。大陸や都の影響を受けながらも、地域の独自性も垣間見ることができる稀有な場所です。都の文化を再現できるほどの、洗練された技術を持った職人も多く存在したのでしょう。この地に眠るお宝の数々をその目で確認しに来てください。
四国八十八ヶ所霊場第75番札所善通寺には、札所としては珍しく宝物館が併設されています。善通寺が所蔵する仏像や仏画を含む美術工芸品や古文書類を保存・管理・公開するために1907年に創設されました。松原さんは、善通寺の専属学芸員です。
松原さんが仏像をはじめとする美術工芸品に興味を持ったのは大学時代。仏師運慶の仏像を見た時に「この仏像を作った人はどんな人なんだろうか」と好奇心がふつふつと沸き上がったそうです。その後、大学院でのより専門的な研究を経て、自治体の文化財調査に携わり、京都の大学博物館等で学芸員としての経験を積んで、現在に至ります。「毎日仏像や文化財と接する日々はとても幸せです」と笑みを浮かべながら話してくれました。
文化財の価値とはどこにあるのでしょうか。
「作られた時代がハッキリすることで、文化財から当時の流行や文化がわかります。そこから人々の暮らしが見えてきたり、史実の裏付けが取れたりします」
とは言うものの、素人目にはなかなかその価値がわからないのも事実です。そんな時こそ学芸員の出番です。文化財を目の前に、史実や美術的価値をわかりやすく解説してくれます。
同じものを見ても、そこから感じることは十人十色。それもまた、文化財を鑑賞することの面白さなのだとか。
遠い昔の先人たちが、何を思い、何を後世に伝えようとしたのか。松原さんは、まるで過去と現在をつなぐ通訳者のようです。
宝物(ほうもつ)と呼ばれる文化財の中には、弘法大師がプロデュースしたのではないかと思われるものが多く存在します。
「お大師さまは、経典だけでなく仏像や絵画などを通して、仏の教えを分かりやすく伝えようとしていたのです。仏教のビジュアル化とでも言いましょうか。広く人々に伝えたいと心底思っていたのでしょうね」
文化財は、未来永劫存在するものではありません。「形あるもの、いつか消えゆく」という諸行無常の理には逆らえず、時の流れとともに、ゆるやかに傷んでいきます。文化財の管理は、まさに時間との闘いです。モノと一緒に先人の思いまで消えてしまわぬよう、それらを適正に管理・保存し、必要に応じて公開する。現代に生きる私たちが、先人の思いを目にすることができるのは、学芸員の丁寧な仕事の数々があってこそなのだと感じます。
文化財を通して仏教の世界観をよりディープに掘り起こしていく。松原さんの案内は、来る人の探求心を満たしつつも、「もっと知りたい」という好奇心を更に掻き立てます。
質素な木彫りの仏像から、きらびやかな宝物まで。文化財の声に、静かに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
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宝物館へ続く外廊下
文化財を前に丁寧に解説します
ご本尊の薬師如来。中は空洞なのだとか
当時の流行がうかがえる木製の地蔵菩薩
文化財を定期的に公開・状態確認するのも大事な役目
数多くの年中行事や月例行事が執り行われます
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